課題に対するまとめ
1)「健康・スポーツ科学概論」を選択した動機や目的
健康・スポーツ科学概論を選択した動機や目的は、単位習得及び、私自身の健康を維持して体力及び精神力を向上させるための知識習得である。健康科学の知識を習得して、実生活に応用展開していきたい。
2)リポート作成にあたって苦労したこと
各課題の考察をするにあたり、考察のヒントを参考にして様々な観点から考察することが求められたことに苦労した。具体的には、一つの観点から課題に対する考察を行うためには、正確な知識と内容の理解が必要であり、指定テキストの内容を精読して各考察に結び付けることが大変であった。
3)リポート作成によって学ぶことが出来たこと、さらに学びたいこと(今後の課題)
リポート作成を通して、解剖学、運動の原理、筋力、持久力及び柔軟性の簡易評価方法、肥満と生活習慣病、生活習慣病の予防法、食事による栄養補給の重要性、サプリメントや機能性食品について、スポーツドリンクについて、目的に応じたトレーニング方法、筋肉痛について、動機づけ等心理面の重要性等、健康及びスポーツに関する知識を広く浅く学ぶことが出来た。今後は、うつ病などの精神疾患予防及び治療のための健康・スポーツ科学を学びたい。
4)得た知識や理論は「実際の生活」とどのようなつながりがあるのか、または、実際の生活に応用して役立たせることができそうか(将来の展望など)
リポート作成によって得られた知識や理論は、実際の生活と密接につながりがあると考える。また、実際の生活に応用して役立たせることは可能である。具体的には、肥満度を評価して、生活習慣病の予防を自身で行うこと、体力を測定・分析して、体力向上を図ること、食生活を改善すること等ができると考える。
(合計577文字)
以下の測定を通じて、あなたの健康や体力の現状を分析し考察してください。
1)あなた自身のBMI(肥満度)を算出して明記してください。
BMIは、下の式に計測値を代入することで算出できる。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
従って、私のBMIは、下記のとおりである。
BMI=56.60÷1.72÷1.72
=19.13
考察
①
筋肉や骨など、体の構造の観点から
BMIの指標である体重は、脂肪、骨、皮膚、筋肉、脳、内臓、神経及び水分の重量からなる。(基礎から学ぶスポーツトレーニング理論(以下指定テキスト①), P194、からだ・健康・スポーツ(以下指定テキスト②), P105)体重の構成要素のうち、脂肪は、ある程度多くなると肥満と呼ばれ健康上問題となる。正確に肥満を測定するためには体脂肪量の多少が問題となるが、生きている人の体脂肪量や筋肉量を測定することは不可能である。そこで、最も簡便な肥満度の算出方法として、BMIが世界的に用いられている。(指定テキスト②, P27)
②
体力の概念を「行動」と「防衛」という観点から
体力には、筋力や柔軟性といった身体的要素と、やる気に対する抵抗力などの精神的要素がある。そして、体力は、この二つを合わせた総合的な能力で成り立っているといえる。そして、体力を理解するためには、「行動体力」と「防衛体力」という考え方がある。行動体力は、行動を起こして作業するための活動能力である。この行動体力の身体的要素に、筋力、俊敏性、柔軟性、体格等があるが、脂肪量が多すぎると運動量の増加に比例して、腰やひざなど下半身にケガを引き起こす要因となりうる。また、防衛体力は、基本的な生命活動を維持するための生存能力といえる。具体的には、体温調節する力、病気に対する免疫力、ストレスに耐える力などである。(指定テキスト①, P38)防衛体力を持つためには、脂肪が一定量必要であり、脂肪は保温と内臓の保護、ホルモンの原料・生体膜の構成成分として用いられる。(指定テキスト②, P29)従って、体力の観点から、脂肪は多すぎても少なすぎても人間の活動に悪影響を及ぼすことが明らかとなっているため、個人が肥満度を算出して、肥満度の適正値からどれだけ自分が離れているか知る事には意義があると考えられる。
③
日々のコンディショニングの指標となるかという観点から。
「コンディショニング」とは、調子のよい状態を崩す原因になるものから、自身の進退を守るために、積極的に身体を鍛えたり、ケアを行ったりすることである。(指定テキスト①, P176)BMIは、あくまで肥満度を簡易算出した結果であり、正確な脂肪量、を算出していない。例えば、筋肉量が多くて脂肪量が適正量の人は、BMI値が標準よりも大きくなる。従って、BMIは、日々のコンディショニングの指標にはならないと考えられる。
④
睡眠時間と食欲の関連性をホルモン分泌の観点から。
睡眠不足だと食欲が増すという研究結果が存在する。睡眠時間が少ない人は、食欲抑制ホルモンであるレプチンが減少し、食欲増進ホルモンであるグレシンが増える傾向が示唆されている。つまり、睡眠不足の人は食欲が増進してしまい、肥満になりやすい傾向がある。(指定テキスト①, P132)従って、脂肪量が多い条件下においてBMI値が標準値よりも大きい人は、睡眠時間が十分に確保できているか確認する必要があると考えられる。そして、睡眠時間が不足していた場合は、睡眠時間を確保するために収監的な運動を行って睡眠時間の改善を図る必要がある。(指定テキスト①, P132)
⑤
健康づくりのための体重コントロールの観点から。
BMIの値が、18.5未満なら低体重、18.5から24.9は普通体重、25.0以上を肥満と判定する。また、理想とされるBMIの値が22であり、この近辺の人は病気になる割合が低く、この数値から離れるにつれて危険度が高まる。(指定テキスト①, P202)このように、BMI値は、健康づくりのための体重コントロールを目的とした指標として有効であると考えられる。
私のBMI値は19.12であったことから、私は普通体重であるとみなせる。そして、肥満に関して、特別な対策は今のところ不要であると考えられる。
⑥
動機付けの観点から
やる気を起こす過程を「動機づけ(モチベーション)」という。動機づけは、何かの目的のために行動する場合と、行動自体が目的となる場合がある。(指定テキスト①, P242)BMIを定期的に算出してセルフチェックをすることによって、BMI値を適正値や理想値に調整することを動機づけとして、健康づくりやスポーツ活動に取り組むことが出来ると考えられる。
2)肥満度を分析する場合、BMIと一緒に体脂肪率を測定した方がよい理由を述べてください。
前述したとおり、BMIは、体重を身長で割った肥満度の簡易的な評価方法であり、実際に体脂肪量を定量評価していないからである。例えば、体重量が重くても、脂肪量が適正量且つ筋肉が多いために重いということもある。従って、BMIと一緒に体脂肪率を測定した方が、より正確かつ精度よく肥満度合いを評価できるからである。
①
インピーダンス法の体脂肪測定の方法のメカニズムを検討
インピーダンス法は、生体に微弱な電気を流し,筋肉や脂肪組織などの電気抵抗の差を利用して測定部位の除脂肪量や筋肉量を推定する方法である。(指定テキスト②, P27)(文献1)現在、家庭用身体組成計で簡便且つ精度よく体脂肪率が測定できることから(01)、BMIと体脂肪率を一緒に測定して、2つのデータを参考値として健康づくりに活かした方が的確な健康づくりができると考えられる。
②
メタボリックシンドロームと生活習慣病の違い
「メタボリックシンドローム」とは、内臓脂肪の蓄積によって生活習慣病を発症した安い状態のことをいう。「生活習慣病」とは、食事、運動、喫煙、飲酒等、日ごろの生活習慣病が発症や進行に関係する病気のことをいう。具体的には、高血圧、動脈硬化性疾患及び糖尿病がある。(指定テキスト①, P 200)内臓脂肪型肥満は、前述したメタボリックシンドロームの状態であり、生活習慣病を引き起こしやすいことから、BMI及び体脂肪率を測定して、自分が肥満状態ではないか、定期的に評価する必要があると考えられる。
③
血液検査からわかる事を関連させる。
血液検査における検査項目の内、中性脂肪(TG)の増えすぎは、肥満や脂肪肝、動脈硬化の原因になることが明らかとなっている(02)。従って、肥満度の評価の正確度及び精度向上のためには、BMIの算出、体脂肪率の測定に加えて、血液検査も実施した方がよいと考えられる。
④
「隠れ肥満」という俗語の由来を考えてみる。
見た目は太っているように見えなくても、体脂肪率が多い状態のことを「隠れ肥満」という。隠れ肥満は、上記の内臓脂肪型肥満の人に多いといわれている。内臓脂肪型肥満は、体脂肪率の測定だけでは、皮下脂肪と内臓脂肪のどちらが多いか判定ができない。(03)そこで、腹囲を測定する簡易検査を、体脂肪率の測定及びBMIの算出結果に加えてることによって、複眼的に内臓脂肪型肥満か否か判定することができると考えられている。
⑤
BMIが大きいアスリートの身体組成から考えてみる。
BMIが大きいアスリートは、具体的にはラグビー、柔道、アメリカンフットボール、ウェイトリフティング、レスリング、ボクシングの競技者等が挙げられる。(04)(指定テキスト②, P 27)身体組成とは、脂肪、骨、皮膚、筋肉、脳、内臓、神経及び水分のことを指す。BMIが大きいアスリートは、筋肉量が多いため、体脂肪が標準値であったとしてもBMI値が大きな値を示すといわれている。従って、BMIが大きいアスリートは、BMIと一緒に、体脂肪率の測定を行わないと、自分の身体に関する情報を正確に得ることができないと考えられる。
⑥
知的アスリートという観点に立ってみる。
適切で正しいフィジカルコンディショニング、栄養バランスを考慮した食事、及びメンタルトレーニング等について多面的に理解している競技者は、「知的アスリート」と呼ばれている。(指定テキスト①, P240)スポーツを楽しみ、よりパフォーマンスを科学的に向上させるためには、BMI、体脂肪率の測定の意義等を理解して身体のコンディショニングを行う必要があると考えられる。
3、4、5)指定テキストの方法を参考にして、あなたの筋力、持久力及び柔軟性の測定結果を示し、他の文献などを参考にして現在の筋力、持久力及び柔軟性を客観的に評価してください。また、健康に対する問題点があればその改善点を述べてください。
筋力は、片脚立ち上がりテスト、握力測定及び腹筋力の判定を行うことによって評価した。持久力は、踏み台昇降運動を行い、心拍数を測定する方法で評価した。柔軟性は、SLRテスト、踵殿間距離測定法及び指椎間距離測定法を行うことによって評価した。(指定テキスト①, P64-65)これらの測定方法及び結果をまとめた表を下に示す。
評価項目
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方法
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結果
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比較値など
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片脚立ち上がり
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高さ20cmの台に腕を組んで座り、片脚でふらつかずに立ち上がれるか判定する。
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右脚左脚ともに20㎝の台からふらつかずに立ち上がることが出来た。
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WBI(体力支持指数)90に対応する。スポーツレベル:ジャンプ(05)
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握力測定
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握力測定装置を使用して測定する。
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右:33.2㎏
左:28.1㎏
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30歳男性の平均値は47.5kg(06)
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腹筋力
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ひざを立て、手を伸ばして仰向けになり、ゆっくり上体を起こせるか判定する。
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ゆっくりと上体を起こすことが出来た。
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ゆっくりと上体を起こすことが出来れば合格
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踏み台昇降運動
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3分間踏1秒で踏み台に昇り、1秒で踏み台から降りることを繰り返した後、心拍数をカウントする。
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心拍数/分=104回
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30歳男性:心拍数/分=109回が楽だと感じる値。
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SLR
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仰向けになり、上げた脚の角度を分度器で測定する。
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左右:50°
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個人差があるので比較は行えない。
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踵殿間距離測定
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うつ伏せになり、曲げた膝に分度器を置いて、角度を測定する。
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左右:50°
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個人差があるので比較は行えない。
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指椎間距離測定
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腕を首の後ろから背中に回し、親指を背中の第七頸椎から下に何㎝まで下げられるかをチェックする。
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Ⓐ親指が第七頸椎から下に11㎝
Ⓑ親指が第七頸椎まで9㎝
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Ⓐ親指が第七頸椎から下に8㎝以上なら標準である。
Ⓑ親指が第七頸椎まで15㎝以内に届くなら標準である。
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私は、握力が平均よりも10kg以上低い値だったが、その原因は、体格にあると考えられる。骨が細く、筋肉量が少ない細身であるため、標準的な人よりも低い値を示したと推測する。握力の左右の値が約5.0kg差であった原因は、右手がきき手であり、左手はほとんど使わないことが考えられる。
①
筋肉の内部構造と筋肉が力を発揮する仕組みから整理
筋肉の内部構造は、筋、筋線維の束、筋線維、筋原線維、筋細線維からなる。また、筋肉が力を発揮する仕組みは、縮みながら力を出す「コンセントリック収縮」、伸びながら力を出す「エキセントリック収縮」、及び動かずに力を出す「アイソメトリック収縮」である。(指定テキスト①, P16-17)
②
運動(トレーニング)の原理・原則
トレーニングの原理は、オーバーロードの原理がある。この原理は、トレーニングの際に日常生活でかかる以上の負荷を身体に与えることである。また、可逆性、特異性、適時性を意識しながらトレーニングを行うことが重要である。
トレーニングの原則は、全面性、意識性、漸新性、個別性、反復性である。(指定テキスト①,
P60-61)
原理原則を理解して、トレーニングを実施することは、効果的な健康増進や体力向上に寄与すると考えられる。
③
身体能力の測定を行う意義を8つの観点から検討
身体能力の測定には、現状把握、長所と短所の確認、効果の確認、動機づけ、体調の管理と監視、トレーニングの質を高める、傷害予防、才能の発掘の利点が存在する。これらの観点から、身体測定を行う意義は、身体の情報を把握することにあると考えられる。(指定テキスト①, P 48-49)
④
トレーニングの種類を目的別に整理
筋力トレーニングは、その目的によって負荷や反復回数などの条件設定が異なる。(指定テキスト①, P 70-71)トレーニングの目的別の負荷、反復回数及び効果をまとめた表を下に示す。
目的
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負荷
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反復回数
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効果
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筋持久力の向上
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最大挙上重量の20%~40%
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できるだけ多く
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筋肉中へ酸素を取り込む能力等を高める
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最大筋力の向上
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最大挙上重量の85%
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全力で1回~5回の反復
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筋力の向上や力が発揮されるまでの時間の短縮
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パワーアップ
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最大挙上重量の30%~65%
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動作の最大スピードが保てなくなるまで
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スピードと最大筋力を高める
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筋肥大
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最大挙上重量の70%~85%
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記述なし
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筋肥大の促進
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傷害予防
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最大挙上重量の60%~67%
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15回~20回の反復
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筋肉や腱を鍛える
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⑤
体重コントロールのための脂肪燃焼に有効な運動強度を計算する(指定テキスト①, P 98)
カルボーネン法によって、30歳における脂肪燃焼に有効な運動強度を算出する。脂肪燃焼に有効な運動強度は、有酸素運動の時であるため、最大心拍数の50%から70%の値を算出する。(07)
最大心拍数=220-年齢(30歳)
=190
また、190÷50%=133、190÷70%=95である。
従って、30歳における脂肪燃焼に有効な運動強度は、95から133である。
⑥
生活習慣病の予防改善プログラムを年間のピリオダイゼーションから計画してみる(指定テキスト①, P 78)
ピリオダイゼーションとは、オーバーワークや練習のマンネリ化、トレーニング効果の頭打ちを防ぐために、次期分けしたトレーニング内容を周期化する方法のことをいう。これは、準備期、試合期、休息期の3つで構成される。
生活習慣病は、食事、運動、喫煙、飲酒等の生活習慣を改善することで予防が可能である。特に、内臓脂肪を減らすことで、複数の疾病の予防が可能である。
年間の生活習慣予防計画を下に示す。
1年間
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準備期
食事の改善
有酸素運動の開始
喫煙回数を減らす
飲酒の回数を減らす。
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試合期
食事の改善
有酸素運動
禁煙
禁酒
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休息期
測定効果
疲労解消
予防計画
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⑦
発育障害児のトレーニングにおいて注意すべきこと
「発育障害・発育不全」とは身体的発育が同年齢の児より明らかに遅れている小児(特に乳幼児)において診断される病名である(Bauchner,2004)(08)。発育障害児のトレーニングにおいて注意すべきことは、具体的に何の発育が標準よりも遅れているのかを分析して、発育が遅れているものの発育を促進する刺激を与える必要があることであると考える。
⑧
スポーツ外傷、スポーツ障害、いわゆる筋肉痛の原因と体力の関係を調べる(指定テキスト①, P148)
筋肉痛の原因は、激しい運動をすることで筋繊維に微細な傷がつき、傷を修復するために白血球等が集まる際に炎症が起こり、ブラジキニン、ヒスタミン等の発痛物質が生産されることであると言われている。つまり、運動時に筋繊維が傷つきにくいように体力を向上させれば、筋肉痛が生じにくくなると考えられる。
⑨
スポーツドリンクや運動におけるエネルギーを効率よく補給するための食事(指定テキスト①, P208, P210, P228, P230, P232)
エネルギーを効率よく補給するための食事にサプリメントや機能性食品があるが、栄養の摂取は食事から行うことが基本である。食事だけでは必要な成分を摂取することが難しい場合に、上記食品を利用する。スポーツドリンクも、運動時に効率よく水分、糖質、塩分が補給できる飲み物である。スポーツドリンクは、成分が様々な商品があるので、目的に応じて使い分けることが重要である。
⑩
行動を獲得・維持する方法から今後のことを考えてみる(指定テキスト①, P246)
行動形成に仕組みは、「オペラントの条件づけ」の原理に当てはめることが出来る。オペラントの条件付けとは、行動に結果が伴うことによって、その行動の頻度が変化することを指す。オペラントの条件付けは、健康面の改善にも応用可能であると考えらえれる。
課題3.健康管理(コンディショニング)と運動・スポーツにおいて「栄養・食事」および「心理」の重要性を指定テキストから総括してください。
コンディショニングとは、調子のよい状態を崩す原因になるものから、自身の身体を守るために、積極的に身体を鍛えたり、ケアを行ったりすることをいう。(指定テキスト②. P176)
①
生活習慣病の予防改善の観点から
生活習慣病の予防のためには、日々の食事に気を使って体重をコントロールすることが大切である。また、それぞれの疾患リスクを高めるような偏った食事をしないような注意が必要である。(指定テキスト①, P200-201)
②
サプリメントや機能性食品の意義を考える
サプリメントとは、食品中の特定の栄養(機能)成分を、錠剤、カプセル、飲料にして提供する新しいタイプの補助食品のことをいう。(09)機能性食品とは、製造・販売しているメーカーの責任において、科学的根拠に基づいた食品の機能を表示している食品である。サプリメントや機能性食品の意義は、普段の食生活において不足しがちな栄養素を効果的かつ補助的に追加することにあると考えられる。従って、サプリメント及び機能性食品を使用する前に、普段から食事から得られる栄養素を分析・評価し、何の栄養素が十分に摂取できていて、何の栄養素が不足しているのか把握する必要がある。
③
トレーニングと減量・増量における食事の重要性
増量の目的は、筋肉量を増やすことである。また、減量の目的は、筋肉量を維持または増加しながら、体脂肪だけを減らすことである。増量の場合は、トレーニングに見合うエネルギー摂取量が必要であり、エネルギー摂取方法は、食事である。減量の場合は、筋肉量を減らさないようにしながら、どの程度体脂肪量を減らすか目標を立てて、食事からのエネルギー摂取量を減らすことが重要である。従って、トレーニング、減量及び増量の際には、エネルギー摂取は食事からなされることから、食事の重要性は高い。
④
水分補給の方法を整理する
運動時には、0.1%から0.2%の塩分を含む飲み物やスポーツドリンクを活用する。水分補給のタイミングは、運動を始める20分から40分ほど前に、あらかじめ250mlから500mlほどの水分を飲んでおく。次に、のどの渇きにかかわらず、15分から20分くらいの間隔で、1回に150mlから250ml程度の水分を補給する。水分の温度は、5℃から常温とする。(指定テキスト①, P226)
⑤
スポーツがもたらす心理的効果を整理
近年、運動によって得られる心理的効果が認められてきた。例えば、うつ患者にランニングを行わせたところ、心理療法と同じような感情状態の改善が報告されている。(指定テキスト①, P238)
また、運動が人間に与える影響は、心の安定を図ることに加え、運動を通してポジティブな経験を通すことで、自信や向上心を高めることにつながる。(指定テキスト①, P238)
⑥
動機づけや集中力などと心理的手法を関連させる
健康増進やスポーツにおいて優れた成績を上げるためには、可能な限り長く続けることが必要となる。そこで、長い期間、行為を継続するためには、強い動機づけが必要であるといわれている。(指定テキスト①, P242)
集中力は、注意力のことを指し、注意力とは、人間が一度に処理できる情報量のことをいう。人間は、注意力に限界があることを理解した上で、意識しなくても身体が反応できるように習熟した技術を習得することが求められる。なぜなら、状況に応じて行為に必要なことに対して注意を向けることが出来なければ、パフォーマンスが乱れてしまうかもしれないからである。(指定テキスト①, P248)
前記した例のように、動機づけや集中力は、健康管理、運動及びスポーツにおいて良好な結果を継続して得るために重要な役割を果たす。
参考文献
01)
貞清 香織, 佐々木 拓良, 杉田 裕汰, 前田 聖也, 遊佐
彩野, 渡邉 真奈, 貞清 秀成, 石坂 正大, 久保 晃:「家庭用身体組成計の臨床利用の検討」理学療法科学 33(1), 151-154, 2018
02)
検査項目の見方-公益社団法人松阪地区医師会:http://med.matsusaka.or.jp/kenshin/koumoku.html
04)
土肥 美智子:「運動選手におけるBMI」.ドクターサロン57巻5月号,13-16,
2013
05)
下肢筋力が簡便に推定可能な立ち上がり能力の評価http://trainer1985.kir.jp/rensai/conditioning_05.html
06)
年齢と握力(平成29年度版):https://akuryoku.noyokan.com/data/age_grip_H29.html
07)
eo健康:https://eonet.jp/health/special/special90_2.html
08)
発育障害:https://kotobank.jp/word/発育障害-2098330
09)
サプリメントとは:https://kotobank.jp/word/サプリメント-155022