2019年6月28日金曜日

法政通信 ブログ 経営管理論Ⅰ(テイラーの科学的管理法、ファヨールの理論)

テイラーの科学的管理法


科学的管理法(Taylor)


科学的管理法の父Taylorは、次のように述べている。

 経営管理の主たる目的

各従業員に最大の繁栄をもたらすとともに、雇用者の最大の繁栄を確保することでなければならない。

→生産性の向上を目指していた。

 課業管理の原則

1) 一日の課業を高く設定すること

2) 課業が達成できるように、工具、作業環境を標準化すること

3) 課題達成の時には高い賃金を支払うこと

4) 課題達成に失敗したときにはその損失を負担させること

5) 一応の成果が上がった段階において、課業は第一級の労働者だけが達成できるほど困難でなければならないこと



科学的管理法を特徴づける諸原則

1) 真の科学の発展

2) 労働者の科学的選抜

3) 労働者の科学的教育と能力開発

4) 管理者と労働者の密接で有効な協働



実際には、意図せざる結果の生起が生じた。科学的管理法における計画と実施の分離、すなわち、構想と実行の分離が生産現場での自律的学習に基づく創造性を抑圧し、計算部門は生産現場との連携なしに財務活動に没頭するという図式が出現した。この原因は次のとおりである。人によって異なる意味形成が行われる可能性を科学的という名のもとに排除したことが、科学的管理法をめぐる意図せざる結果を生起させる。つまり、意図せざる結果を生起させる可能性を内在させながらも、それを意識しない理論としての性格を持つ。



ファヨールの理論




 組織にとって、集権化が望ましい場合と分権化が望ましい場合とが存在する。



 管理は、事業の経営において大規模あるいは小規模の工業、商業、政治、宗教あるいはその他すべての事業において、極めて重要な役割を演じる。ファヨールは、多様な組織を社会体として統一的に捉えている。



ファヨールの企業における諸活動の分類

1) 技術的活動(生産、製造、加工)

2) 商業的活動(購買、販売、交換)

3) 財務的活動(資本の調達と管理)

4) 保全的活動(財産と従業員の保護)

5) 会計的活動(財産目録、貸借対照表、原価、統計、等々)

6) 管理的活動(予測、組織、命令、調整、統制)



ファヨールの管理に関する定義



 管理すること、それは予測し、組織し、命令し、調整し、統制することである。






予測するとは、将来を吟味し、活動計画を作成することである。組織するとは、企業の物的並びに社会的な二重の組織を構成することである。命令するとは、従業員を機能せしめることである。調整するとは、あらゆる活動とすべての努力を結び付け一元化して調和させることである。統制するとは、すべての事柄が確立された基準と与えられた命令に従って行われるように注意することである。これらの活動を、ファヨールは「管理的職能」と呼び、管理的職能を構成する要素として捉えている。

ファヨールは、これらは原則に過ぎないから弾力的に運用しようと捉えている。また、何をもって管理の原則とするのか。それはすなわち社会体としての組織の管理に有効で、経験による裏付けのあるものであれば、原則として認められる。加えて、ファヨールは以下の14の原則を提起している。



    分業

    権限-責任

    規律

    命令の一元制

    指揮の統一性

    個人利益の全体的利益への従属

    報酬

    権限の集中

    階層組織

    秩序

    校正

    従業員の安定

    創意

    従業員の団結



 ファヨールの理論は、全体として明確な枠組みの下で整然と整理されたかに見える知識体系である。また、教育を意識した理論構築をされているとも捉えられる。





管理過程論

計画課の本質的な性格は、目的と目標への貢献、計画化の先行性、計画化の浸透、計画化の能率である。



管理過程で用いられる手段について相当程度まで論理的に決定された具体的行為であるが、組織や管理活動に関連する全体状況を感得することが非常に重要であり、この全体の監督という行為は、科学というよりもアートの性格を備えた非論理的なものであると指摘している。



→管理過程論の過程ではすべての事物の流れをとらえることができない。もう一つの過程も理論構築の視野に入れなければならない。

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